英語読書と、ときどき育児

読んだ英書の備忘録と、育児のあれこれ

me before you が与えた衝撃

恋愛映画はたぶん片手で数えられるくらいしか観たことないんだけど、そんな人間が言うのも説得力ない話だけど、これまで観た恋愛映画の中で一番面白くて、感動して、すごくすごく引きずった。一週間くらいは映画の結末がズーンと心にのしかかって、喪失感がすごくて、もしウィルやルーが自分だったら?旦那だったら?子どもだったら?とか考えて止まらなかった。悲しさと悔しさ、でもどこか爽やかさも感じる、恋愛映画の枠を超えた生と死の物語だと思う。原作は世界的なベストセラー小説だっつーから、早速読んじゃうよね。結果、映画以上に泣けたかもしれない。あまりにハマりすぎて2日くらいで読んじゃった。

映画では描かれなかった、お城の迷路でのルーとウィルのやりとりが印象的だったな。迷路の奥で泣いてるルーのところに駆けつけたけど、動かない腕に苛立つウィル。終盤で、ウィルが決断を変えないことをルーに伝えた時の心情につながる、大きな出来事だったと思う。そしてお互いの心の中の、底の方で蓋をしてた黒い部分をさらけだしあって、友情を超えた絆のようなものができていく。

最終的には家に住み込みまでしちゃうし、映画で見るよりも2人の距離は精神的にも物理的にも近かったんだなと分かる。それを踏まえて読むラストの展開は、ずっしり重かった。クッソ辛かった。でもだからこそ、最後のウィルの手紙の言葉が沁みる。

live boldly.

push yourself.

don't settle.

just live well.

just live.

もうね、座右の銘にします。

映画も小説も、もう一回観たいし読みたい。たぶん何度でも観たくなるし、読みたくなる。そういう引力のある作品だと思う。

この手紙というか、タイプライターソフトもいい仕事をするんだよね。ルーが設定したソフトで、文字を書けないウィルの言葉や気持ちが、形として残っていく。手紙でも、言い回しがウィルらしくて、そういうところもいちいちジーンとしちゃうよね。

 

現代の若い男女が多く登場する話だから、会話文の言い回しも今風で、冗談めかしたやりとりや、嫌味や、言い争いも多くて、これまでLOTRをがっつり読んでた人間にはとても新鮮だった。テンポ良くて面白いし、俗語的な表現の勉強にもなった。まだ覚えてるのは、

bloke

piss off

don't push your luck

とか。

現代小説って面白いなと思わせてくれた一冊。でも続編は面白くないらしいので、今の綺麗な終わり方のまま、この作品の思い出を心に留めておきたいと思います。

 

 

Me Before You

Me Before You